この記事では⑴売掛金元帳と⑵買掛金元帳について説明します。
⑴売掛金元帳
売掛金元帳とは、売掛金の残高を得意先別に記録する補助簿(補助元帳)です。
総勘定元帳の売掛金勘定は全ての得意先に対する合計金額ですが、今回の売掛金元帳を作成することで得意先別の金額を把握することができます。
なお、売掛金元帳は得意先元帳とよばれることもあります。
いくつかの取引例を使って、売掛金元帳を見てみましょう。
【取引例】
4月1日:A社がB社に対する売掛金の前月繰越は200,000円。
※仕訳なし
4月6日:A社はB社に商品300,000円を売上げ、代金は掛とした。
(売掛金)300,000 (売上)300,000
4月11日:4月6日にB社に売上げた商品のうち、50,000円が返品された。
(売上)50,000 (売掛金)50,000
4月20日:B社に対する売掛金の回収として、200,000円が普通預金口座に振り込まれた。
(普通預金)200,000 (売掛金)200,000
4月27日:A社はB社に商品100,000円を売上げ、代金は現金で受け取った。
(現金)100,000 (売上)100,000
これらの取引を記入したA社のB社に対する売掛金元帳は次の通りです。
※4月27日の取引は「売掛金」とは関係ない取引です。よって、売掛金元帳には記入しません。
売掛金元帳の説明は次の通りです。
①どこの得意先に対する売掛金元帳なのか得意先名を記入します。
②摘要欄には、取引の内容を簡単に記入します。
③借方欄・貸方欄には、売掛金が増加した場合は借方欄へ、売掛金が減少した場合は貸方欄へ金額を記入します。
④借/貸欄には、残高欄の金額が借方残高なら「借」と記入し、貸方残高なら「貸」と記入します。もし次の取引後の残高も同じ場合は、上と同じという意味で「〃」と記入します。
⑤残高欄には、その日の取引後の残高を記入します。
⑥当月末時点での売掛金残高を、次月に繰り越します。本来は赤字で書きますが検定試験では黒の鉛筆などで書きます。
⑦月末には、借方と貸方のそれぞれの合計金額を算出して記入します。合計金額の上には一本線を引き、下には二重線を引いて締め切ります。
⑧前月末時点での売掛金残高を、当月に繰り越します。
⑵買掛金元帳
買掛金元帳とは、買掛金の残高を仕入先別に記録する補助簿(補助元帳)です。
なお、買掛金元帳は仕入先元帳とよばれることもあります。
いくつかの取引例を使って、買掛金元帳を見てみましょう。
【取引例】
4月1日:B社がA社に対する買掛金の前月繰越は200,000円。
※仕訳なし
4月6日:B社はA社より商品300,000円を仕入れ、代金は掛とした。
(仕入)300,000 (買掛金)300,000
4月11日:4月6日にA社より仕入れた商品のうち、50,000円を返品した。
(買掛金)50,000 (仕入)50,000
4月20日:A社に対する買掛金のうち、200,000円を普通預金口座から支払った。
(買掛金)200,000 (普通預金)200,000
4月25日:B社はC社より商品100,000円を仕入れ、代金は掛とした。
(仕入)100,000 (買掛金)100,000
これらの取引を記入したB社のA社に対する買掛金元帳は次の通りです。
※4月25日の取引はC社との取引であり、A社との取引ではありません。よって、今回の買掛金元帳には記入しません。
買掛金元帳の記入方法は売掛金元帳とほぼ同じです。
売掛金元帳との違いは、売掛金元帳は得意先に対する売掛金ついて記入していましたが、買掛金元帳は仕入先に対する買掛金について記入するということだけなので、買掛金元帳への記入方法の説明は省略します。
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